新撰組と鬼の娘
総「この池ね、僕の秘密の場所なんだ。」
『秘密の場所?』
総「ちょっと目、閉じてて?すぐに始まるから。座って待とう。」
なにが始まるというのだろう。
総「あ、ほらきた。目、開けてごらん?」
目を開くと、そこには――
『………わぁ…綺麗……。』
光を放ちながら飛ぶ沢山の蛍。
総「夜魅ちゃん。」
沖田さんの真剣な声に、沖田さんと向き合う体制になる。
総「夜魅ちゃんにここで、これを見ながら言いたかった。……好きだよ。僕は君が好き。」
『私も沖田さんが好きです。』
その後、私達の距離は自然と縮まってゆき、月に照らされた2人の影がゆっくりと重なった。
愛おしいと思った人と、初めて口付けをした。
その時、蛍達の声が聞こえた。
<よかったね>
<おめでとう>
<僕達、いい場面にあったね>
微かな声。
私にしか聞こえない声だったけど、きっと沖田さんも心で聞こえてるはず。
唇を離し、微笑み合う。
『沖田さん、蛍達が祝福してくれましたよ。』
総「なんとなくわかったよ。」
『もうちょっと、お祭り楽しんでから帰りませんか?』
総「そうしようか。」
そして私達は来た道を戻って行った。