新撰組と鬼の娘

男「しょうがないんだよ?私達に協力して欲しいと、戦で一緒に戦って欲しいと言ったのに、それを拒んだ。」


「それだけで殺したのかっ?!」


男「あぁ。君は知らないだろうがね、その子の鬼の一族は、鬼の中で1番強かった。そして、その血はどんな怪我や病気も治してしまう。……万病の薬なのだよ。」


じゃあ、こいつは血や戦力が目当てで………。


男「相手につかれたら大変だからね。だから潰した。」


「貴様っ!!!」


男「だが………。その子だけ生かしておいたんだ。戦力にはならんが、その子の血が1番きく。だから近々、その子を貰いにいくよ。」


「黙れっ!!!」


僕が刀を抜こうとすると、夜魅ちゃんが僕の手を止めた。


『やめて………沖田さん…。帰ろう……帰りたい……。』


僕達の様子を見て、男は笑って僕達の方に歩きだした。


男「今日はやめておくさ。……近々行くのは本当だから。じゃ。新撰組1番組組長、沖田総司君。」


「!!?!」


通り過ぎた男を追って後ろを見ると、男はいなかった。



夜魅ちゃんが苦しそうに肩で息をしていた。


「夜魅ちゃん?!大丈夫?早く屯所に帰って休もう。」


『ゃ……だ……。殺さ……れる…。』


僕は夜魅ちゃんを抱き抱え、屯所へ急いだ。






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