新撰組と鬼の娘
?「とにかく、名前を聞いておこう。君はなんていうんだね?」
そう言ったのは、さっき謝ってくれた人。
『桜……夜魅……です…。』
?「そうか。ここはどこだかわかるかい?」
私は首を横に振った。
?「ここは新撰組の屯所だ。そして、私が新撰組局長の近藤勇だ。」
新撰組屯所………?
勇「そして、私の隣にいるのが副長の土方歳三。総長の山南敬助。」
土方さんはちょっと怖い顔をしていた。
山南さんは少し笑っていた。
勇「そして順番に、斎藤一、藤堂平助、原田左之助、永倉新八、井上源三郎、沖田総司。」
1人1人見ていくと全員と目が合った。
歳「そんで?なんで夜魅はそんなに怯えていやがる?」
総「土方さん、そうゆー言い方しかできないんですか?」
私は着物をキュッと握った。
『ぁっ……あの…!』
また静かになった。
やっぱりちょっと怖い…。
ほんとのこと言ったら…殺されちゃうんじゃ…?
総「夜魅ちゃん。さっきも言ったでしょ?僕達は君を殺したりしないって。」
そう沖田さんが言うと皆が驚いた顔をした。
平「何がどうなって俺達がこいつを殺すってなってんだ?」
総「僕にも分からない。さっき、言ったんだ。《殺さないで下さい》って。」
さらに手に力が入った。
勇「桜君。何があったか、話してくれないか?」
私は、声が震えそうになるのを我慢しながら、話し出した。