新撰組と鬼の娘
夜中―――
隣で寝ていた夜魅ちゃんが起き上がった。
「夜魅ちゃん?」
声をかけても指先さえも動かさず、瞬きさえもしなかった。
ただ、声も出さず、涙だけを流し始めた。
僕はぎゅっと夜魅ちゃんを抱きしめた。
そのままゆっくり布団に寝かせ、しばらくその状態でいた。
やっぱり今までの元気は空元気だった。
解っていたけど、知らないふりをした。
ごめんね、夜魅ちゃん。
気にしたら、逆に君が辛くなるんじゃないかって思ってたけど、やっぱりそうじゃないね。
「ごめんね……。」
いつのまにか、僕も泣いていた。
僕はこんなにも弱かっただろうか?
「せっかくのお祭り、嫌な思いさせてほんとごめん。」
そう呟く。
『……明日、ちゃんと話しますね。』
そう夜魅ちゃんが言ったのは、幻聴だったのだろうか……?