新撰組と鬼の娘
憎しみの心
座るなり、すぐに夜魅ちゃんは話し始めた。
『私、今まで人間が怖いんだと思ってました。』
皆が、突然何を……?という顔になっても、夜魅ちゃんはお構いなしに話し続ける。
『昨日あいつに会って、それが違う感情だと気付きました。………私は人間が憎い。私の大切なものを奪った人間が憎いです。』
そう語る夜魅ちゃんの肩は震えていた。
『だから私はあいつの所に行きます。』
その言葉を聞いて、僕は怒鳴ってしまった。
「そんなの駄目に決まってるじゃないか!!」
『あいつの狙いは私の血です!私が行って、血を分けたら殺します。』
「駄目だ!」
勇「夜魅!!」
急に近藤さんが大声を出した。
『っ!』
勇「落ち着きなさい。…ならば聞こう。私も歳も総司も、ここにいるのは皆人間だ。私達でさえも憎いか?」
夜魅ちゃんは首を横に振る。