新撰組と鬼の娘

夜魅ちゃんは、力ない声で言った。


『皆さんには、感謝しています。皆さんも確かに人間ですけど、私が憎いのはあいつらだけです。』


そう言って、夜魅ちゃんは俯いた。


そして、さっきよりも弱い声で言った。


『自分が持つ憎しみの心が……1番怖いです……。そして…。私が自分の憎しみの心に飲み込まれた時、私は………。』


そこまで言った時、外から隊士の声が聞こえてきたのだ。


隊「貴様、何者!!」


隊「早く、副長に報告を!」


新「なんの騒ぎだ?」


その時、夜魅ちゃんが立ち上がった。


そして、


『………来た…。』


そう言って広間を飛び出した。


僕は分かった。


「土方さん!奴ですよ!」


僕はそう声をかけて夜魅ちゃんの後を追った。


今行かせるのはまずい……!!




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