新撰組と鬼の娘
『ぁ………ぁ…。』
私の手は、……爪が鋭く伸びていた。
更に、後ろから吹いた風に私の髪が靡く。
『嘘………!?』
黒髪だった私の髪は、白髪になり、月明かりに照らされ光っていた。
総「夜魅ちゃん!?」
沖田、さん……?
男「さぁ、そこまで来てる。理性を捨てろ。憎しみの心が無くなるまで、暴れろ。」
総「夜魅ちゃん!耳をかしちゃ駄目だ!僕がそっちに行くから!」
駄目だよ、沖田さん。
来ちゃ、駄目です…!
私は落とした刀を拾った。
男「そうそう。私に切り掛かれ。憎しみに心を、全てを任せろ。」
総「駄目だ、夜魅ちゃん!」
『大丈夫です、沖田さん。私は、理性を捨てればどうなるかぐらい分かっています。…だから……。』
憎しみに飲み込まれそうだから、飲み込まれる前に……。
『飲み込まれる前に、いなくなればいいんです………。』
ごめんなさい、沖田さん……。
私は刀の先を自分に向けた。
……男がニヤリと笑う顔が見れた。