新撰組と鬼の娘
…………ガシッ。
ガシッ?
なんで?
総「何やってるの?夜魅ちゃん。待っててって、言ったじゃないか。」
私の手を掴んでいる沖田さん。
『お………きた、さん…。』
男「……チッ。」
沖田さんは私の手から刀を奪った。
総「何やってんだよ!!」
『……っ!』
叩かれる…………。
そう思った。
でも、私が覚悟していたような痛みはいつまでたってもやってこない。
総「そこで待っててって、言った筈だよ?」
『ごめ……なさぃ…!』
抱きしめられてた。
抱きしめ返そうと思った。
だけど、今の私は鬼の姿。
爪で傷をつけてしまう。
それは、嫌だ。
歳「総司、ちゃんと夜魅を見張ってろ。この男、長州のもんだ。」
長州……?
男「あれ?知ってたの?じゃあ今日はこれで帰るとしよう。」
平「待てっ!逃がすかよ!」
刀を構える藤堂さん達。
勇「止めろ。今はそれどころじゃない。」
男「そうそう。流石局長さんだね。」
そう言って男は闇に消えた。