新撰組と鬼の娘

『何って………洗ってただけですよ?』


左「嘘をいえ。自分の腕に傷をつけようとしただろう?」


有無を言わせない真っすぐな目。



思わず逸らしてしまう。


平「んでそんなこと……。」


『……私だって、やっちゃ駄目って自分に言い聞かせましたよ……!!』


それでも、自己規制ができなかった。


私はあいつに狂わされている。


あいつさえいなければ………。


今こんなに悩んだりすることなんてなかったのにっ…!!



『…私、なんであの時に死ななかったのかな………。』


左「おまっ…!?何言って…。」


『だってあの時、家族や村の皆と一緒に人間と戦っていれば私1人が生き残ることなんてなかったじゃないですか!』


なに言ってんだろ、私……。


『私1人が生き残って……、私よりも小さい子達もいっぱいいた!私は村の子供の中じゃ1番上だったから……皆を守る立場なのに…!』


逆に守られた。


自分が守らなきゃいけない子達に、守られた。



いつの間にか、皆来ていた。





< 66 / 105 >

この作品をシェア

pagetop