新撰組と鬼の娘
ザアァッと風が吹いた。
沖田さんの髪が、私の髪がなびく。
総「君は、嘘がとても下手なんだね。僕達皆、気付いてたよ?ほんとは一緒にいてほしいってこと。」
『そんな………っ!』
私がそう言うと、
猫「にゃう」
と、猫がひと鳴きして、私の腕の中からするりと抜けた。
ほぼ同時に、私は沖田さんの腕の中にいた。
総「皆待ってるよ。部屋に戻ろう。」
『私にも解らない気持ちを、沖田さんや皆さんは解ってしまうのですか…?』
総「君がわかりやすいだけ。……広間で皆待ってる。君が落ち着くまで、皆一緒にいてくれるから。」