新撰組と鬼の娘
どれくらい泣いていたのか、自分でもよく分からない。
いずれは沖田さんが来ると分かっていたから、その前に泣き止むつもりだったのに、出来なかった。
総「夜魅ちゃん?」
布団がめくられ、私の横にはいってきたのは勿論沖田さん。
沖田さんは私の頭の下に腕を滑り込ませ、そのまま私を抱き寄せた。
総「よく……泣かなかったね。あの場所で。」
『泣けなかった……だけ、ですょ…。』
沖田さんは空いている方の手で、私の涙を拭った。
総「さっきまでみたいに、泣いていいんだよ?あの場所で泣けなかった分を、今流せばいい。」
『沖田さっ…………!』
私は彼に抱き着いた。
彼の寝巻の襟元をギュッと掴んだ。
まだ流しきれていない涙を流すために。