新撰組と鬼の娘
仇
それから数日が過ぎたある日、この日は屯所がバタバタしていた。
土方さん以外の幹部は広間に揃っていた。
『沖田さん、今日は何かあるんですか?土方さんが見当たりませんが………。』
総「あぁ…。ちょっと怪しい人を捕まえてね。長州の人間だってことは言ったんだけど、そのほかは何も言わなくて。」
平「なんとか吐かせようと土方さん頑張ってんだけど、仲間のことは何1つ喋んないらしくてさ……。」
土方さんが行ってるってことは、取り調べというより拷問に近い。
『…早く言えば痛い目見なくて済んだのに…馬鹿なのか……?』
ポロッと本音が出てしまった。
左「夜魅、今、なんて……?」
敬「さらっと言いましたね。」
『えっ!?あ、あははは……。』
と、その時、土方さんが広間に顔を出した。
総「今日は返り血ないですね。」
歳「こっちくる前に顔洗って来たに決まってんだろ。……まったく、あいつ何も言いやしねぇ。」
『土方さん、その人ってあいつがいる長州の人間なんですよね?』
私は土方さんに聞いた。
歳「あ、あぁ……。それがどうかしたか?」
私はニコッと笑って皆さんに聞こえるように言った。
『私にやらせてもらえませんか?』