新撰組と鬼の娘
勇「入るぞ。」
近藤さんは中に声をかけ、障子をあけた。
中には、布団で寝ている沖田さんと、看病している斎藤さんがいた。
一「桜、起きたのか。」
『はい。……あの、沖田さんは…。』
一「肩の傷が以外に酷い。……筈だが、きれいさっぱり傷痕がない。さっき起きたがまた寝たところだ。」
斎藤さんの説明を聞きながら、沖田さんの枕元に座った。
私の血が効いたんだ…。
じゃあ、労咳は?
『近藤さん。』
勇「ん、なんだね?」
『沖田さんの………病気は治りました?』
勇「………あぁ。治っている。不治の病だと言われた労咳にかかった筈なのに。」
それを聞いて、もっと安心した。
『よかった………。血が効いた…。』
ぽつりと言った筈なのに、2人には聞こえていた。
勇「血が?」
一「まさか、総司に桜の血を?」
『はい。どうにかして助けなきゃと思って……。奴の言葉を思い出して。』