俺とお前∮
「でも本当に弘は可愛いよっ!」
「はぁ?」
へらっと笑ってそんなことを言ってきた。
「あ、校門に先生が。」
「え?まじ?走らないとっ」
「ちょ、いてて…」
由貴は俺の手を掴み、校門に走った。
全く足まで速くなっちまって!
俺がゼイゼイしてるのに何か元気だしっ!
「おはよう御座いま~す」
先生に元気良く挨拶した由貴は、俺の手を離さないまま靴箱へ向かった。
「ちょっとっ…待てよっ…。」
「もう遅いなぁ~」
こっちをみて、へらへらと笑った由貴の顔が、
近付いてきた。
え?近付いてきた?