君がいれば
━━━━━……

『圭兄~』



リビングの扉を開けながら名前を呼んでみたが返事がない。


《大学行ったか…》


ふと机の上を見てみると紙が置いてあることに気がついた。



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奈緒へ
今日は大事な講習会が
あるから大学行くな。
ホントは奈緒の看病
つきっきりでしたかった…(泣)
お兄ちゃんがいなくて
寂しいかもしれないけど…
なるべく早く帰ってくるから!!

兄より


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《いや…全く全然微塵も寂しくないし。》


相変わらず痛い兄だ…
私が呆れ顔で紙を見ていると。



━ピンポーン


とチャイムが鳴った。
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