人の手相をいじって何が面白いねん。
里子は席を立つと




本棚を探し始めた。





「おかしいわね。






 ここらにあったはずなのに」









しばらく探していたが、






里子は探すのを諦めた。





再び、





早紀の手のひらを見た。






「これは、





 たぶん





 献上線ね」






「献上線って」





 早紀は尋ねた。





「若宮さんの運気を奪って、



 誰か他の人に流してしまう線なの。





 流された方は





 運が良くなるけど、





 流した方の運は悪くなるわね」







「そうか、






 早紀の運を奪おうとしたのが






 昨日の占い師だよ。






 里子さんそうでしょ」







と、隣で聞いていた明美が言った。







「たぶん








 そうかもしれないわね」

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