人の手相をいじって何が面白いねん。
廊下の突き当たりに


着いた。





右の扉。






扉には、


『本日は予約のみ』





と書いてある紙が貼ってあった。







明美が頼んでおいてくれたからだと思った。




「こ


 ん


 に


 ち


 は」



早紀は言いながら、


扉を開けた。





「どうぞ」










正面に



中年の女性が座っていた。



明美の伯母だけあって



良く似ていた。



顔は




明美を少し小太りにした感じだ




明美も40代になったら


こんな感じになるんだろ




と思った。










「初めまして。





 若宮早紀です」






「あなたが若宮さんね。




 どうぞそこに座ってください」





明美の伯母は、


魔女の着ている様な黒いガウンを


パッと広げた。






「今日は


 何を占って欲しいの」







彼女が



早紀に紅茶を出しながら



聞いてきた。


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