人の手相をいじって何が面白いねん。
早紀と明美は



息が上がって、走るのを止めた。




早紀たちの後から、ヨレヨレの老人が



早足で歩いてきた。




「ま、



待てっ」





老人はそう言うと



足を止めてへたり込んだ。





早紀はこの老人が里子の師匠かもしれないと思った。





明美も同じことを思ったらしく。



声をかけた。





「博報堂さん





ですか」






「なんじゃ。




あんたら」





「あの、






佐原里子の姪の




明美です。




こっちは




若宮早紀です」




早紀は会釈した。






「ああ。




佐原の客か。




電話で話は聞いておる。






ワシについて来い」
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