人の手相をいじって何が面白いねん。
第十線
次の日、





早紀は予備校に行った。




赤井は早紀にノートを見せて欲しいとだけ頼んで



部屋にこもっている。






明美がいつものように隣に座った。




「昨日はどうしたのよ」




「ちょっと、




お腹が痛くなっちゃってね」



嘘をつくしかないな



「でも、




行かなくて正解だったよ。



叔母さんから電話あったんだけど



博報堂は昨日は居なかったみたいよ。



何回電話しても繋がらなかったんだって」





「そうなんだ」




「今度は


何時行こうか」



と、明美が誘った。



「手相なんて占いだから



気にしない事にするわ。





それに毎週模試があるから



勉強しないとね。




一段落してから行こうかな」



と、早紀は平静を装って答えた。
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