人の手相をいじって何が面白いねん。
早紀は家への道を急いだ。






『赤井君




どんな作戦立てているんだろう。





早く手相を





元に戻してもらわなきゃ』






家に帰ると夕飯の匂いがした。




『今日は




グラタンね』




キッチンに行くと




母が配膳をしていた。



弟が手伝っていた。




「早紀ちゃん。



夕飯にするから、

早く着替えてらっしゃい」





早紀はテーブルを見た。



『皿の数が一つ少ない。




父の帰りが遅くなっても

茶碗とおかずだけは揃えておくはずなのに』



「あれ、




父さんの分は出して置かないの」




「あるじゃない」





「じゃあ。




赤井君の分は?



また、食べないの」



「赤井君?」





母が首を傾げた。

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