人の手相をいじって何が面白いねん。
窓は開いていない。




『幽霊かしら?』






「ここだよ」





おもちゃの一つから


声がした。





「ここ」



声の主は



カッパの人形だった。




「貴方なの」



「そう」





人形の口は動いていない。





早紀の頭の中に声が直接入ってくる。



「あなたが赤井君の



代わりなの」




「そう。


よろしく。





早紀さんって





意外に胸大きいね」




「もしかして、






見えているの」



「うん。


よく見えているよ」




「出てって!」




早紀はカッパの人形を風呂場の外に


投げ捨てた。
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