夏軌くんと遼ちゃん

………そっか。簡単だ。



僕は、フ、と笑って彼女を見る。


彼女は、「僕」をちゃんと見てる訳じゃないから。


今までの僕を、彼女は認めないで、たった一日で変身した、ある意味「嘘」の僕を見てる。



それを理解した途端、僕の中で、急激に彼女への気持ちが冷めていく。


「…なんで？ 昨日、告白したのそっちじゃん。」


彼女は睨むように僕を見る。


「なんでって…、僕は…」

「半端な気持ちで告白したっていうの！？ 最低！！」



いきなり怒り出した彼女は、僕に向かって手を振り上げる。

――叩かれる！ そう思った、瞬間。


――――パシッ