手も触れない距離で。

「お姫様だっこ
してあげる。」

「え…?」

そういった隙に
すでにされていた。

「あのぉー…
おろして………?」

「無理だなー♪」


………。

こわい………。
ただそれしか
心になかった。


「ね…キス…
していい…?」

「無理ですよー。
私は好きな人が
いますからー。」

「さっききいたよ。
でも、キスしたい。」
「ダメですよ?
私は…ファーストキスは
好きな人とするのが
夢なんです…♪」

なんておちゃらけて
乙女チックに
いってみる。

こんな人と
キスする私が
嫌で嫌で……。

「そっかー♪
じゃあ、ほっぺなら
いいよね♪」

「え……」

chu……。

私は…頬に
キスをされた。

しかも許可なく…。

私はおぞましかった。

気持ち悪かった。



「や…めて…。」

こわい……
こわいよ…先生…。


「そっかー…
じゃあお姫様だっこで
機嫌なおして?」


でも先生は
来ない。


まんがみたいには
ならない。

「これ以上
触らないで…」

「ん?」

「これ以上
触ったらもう絶対に
あわない。」

先生がこないのなら
自分は自分で
守るしかないんだ…。

「ごめんね?
じゃあまた今度
あってね?
じゃあねー♪」

拓也くんは
風とともに
帰っていった。
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