お見合いダーリン!
私の恰好は着物ではなくちょっとしたよそ行きの洋服。
これからお見合いです!
なーんて見た感じでは全く分からないはず。
「いいか?ちゃんと挨拶するんだぞ」
「そうよ。こんな場所で何かやらかさないでよね」
朝からそればっかり。
お姉ちゃんにも、挙げ句の果てには妹の鈴加にも言われてしまった始末。
「もう、分かってるって」
私よりもみんなの方が緊張してる。
そりゃあ、私も緊張してるけどね。
ロビーに入って回りを見渡す。
羽須美さん一家は…
「遠藤さん?」
後ろからそう呼ばれて…
「あ、はい!」
私は勢いよく振り向いた。