お見合いダーリン!



「次、飯岡」

「はい」





私が呼ばれるのは次だ。


私は進路の紙を軽く握る。





「飯岡、頑張れよ」

「ありがとうございます」

「次、遠藤」





来た来た来た!


私はぎゅっと進路の紙を持って立ち上がる。





「どうだ、ちゃんと決めれたか?」





河瀬先生は知ってる。


私が進路を決めてなかった事を。


だって、河瀬先生は私の担任歴三年だもん。





「はい」





そう大きな声で返事をしてから私は進路の紙を河瀬先生に渡した。





「それは良かった。先生かなり安心したよ。どれどれ、遠藤の進路は…」





私は思わずゴクリと生唾を飲み込む。



< 76 / 80 >

この作品をシェア

pagetop