お見合いダーリン!
河瀬先生がいきなり大声出すから、教室内はザワッと騒がしくなりクラスメートの視線が私に突き刺さる。
「だからちゃんと記入を!」
「ちゃんと書きましたけど?」
「書きましたって言うけど‘羽須美翼’ってなんだ!」
河瀬先生は進路の紙を指差す。
「そこが、就職先です」
普通に私がそう言ったせいで河瀬先生はキョトンとした顔をして。
「羽須美翼と言う会社があるのか?」
そう真顔で私に聞いてきた。
「いえ、違いますけど」
「は?」
「そこに嫁ぐんです」
「嫁ぐ…?」
「はい。私、来年の春に妻になります」
私の進路先はただ一つ。
羽須美さんの所だけ。