センチメンタル・ギター
「あれって私達の境遇に似てるよね。」

「一つ違うとこがある、それは何処でしょう」

「主人公がイケメンなとこ」


二人で大笑い

僕には多少虚しさも混ざっていたが

―…やっぱり、そうか―


「サボってばっかりだったけど何してたの?」

片肘をついて覗き込むように問いかける穂奈美ちゃん


少し薄着な彼女に照れる僕


目をギターのほうに逸らして答える

「アレ弾いてた」


そこには埃を被ったギターは無く

チューニングもしっかりとされたギター


その代わり僕は髭面になっていた

「今の鼎君、売れないミュージシャンみたいね」

穂奈美ちゃんが笑う

確かに言われてみれば…


「なにか聞かせてよ」


―待ってました、その言葉―
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