センチメンタル・ギター
気がつけば僕のTシャツは

また世界地図を描いていた

でもこの世界地図には

夢も詰まっている気がして着替える気にはならなかった


「気持ちいいーーーー!」

穂奈美ちゃんは大絶賛してくれた


「こうやってライブっぽく歌うのって凄く気持ちいいね」

穂奈美ちゃんもほのかに汗ばんでる

真剣に歌って楽しんでくれたみたい


「鼎君はさ、バンドとかやらないの?」

「別にその気は無いかな」

正直、楽しいかったし気持ちよかったけど

人の前に出て演奏する勇気なんて無かった


「んー、私は鼎君の歌好きなんだけどなー」

「穂奈美ちゃんがミスコンにまた出るって言うなら考えなくもないけど」

コーヒーの熱気と、ライブ後の僕の身体からでる湯気で

眼鏡が曇ってたから僕の目は見えなかっただろうけど

きっと意地悪な目をしてただろう


「じゃぁ、ミスコン出るから鼎君も文化祭でライブしてね」

「っへ?」

今度はコーヒーが鼻から出そうになった
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