センチメンタル・ギター
ピンポーン

連絡無しの不意の来客

穂奈美ちゃんだ


「相変わらず部屋綺麗だね」

穂奈美ちゃんは知らない

数時間前までは修羅場だったこの部屋を


「そんなこと無いよ、目に見えないとこは汚いんだぜ」

知ってると言って笑う穂奈美ちゃん


このまえ貸したCDはジャズ調の歌だった

ジャズの流れるオシャレなカフェで

コーヒーを飲む穂奈美ちゃんは

絵になると思い貸したやつ


「私はやっぱりロックのほうが好きみたい」

CDラックを漁りながら穂奈美ちゃんが言う

僕らが友達でいれるのは

きっと幼馴染みということと

ロックしか無いだろう―



コーヒーを入れてキッチンから戻る

ここからは誰も知らない僕らだけの時間
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