桜散る頃に
出会いから再開
家に帰ると、リビングには千歳の母親と美咲の母親が談笑していた。

「あら、美咲おかえりなさい。千歳も一緒に、帰ってきたのね。」

「母さん、千歳が帰ってくると知っていたのか!?」

美咲は自分一人が知らなかったと知り、ショックをうけた。

「ごめんなさいね。ミサちゃんをびっくりしさせたくて、美紀さんには黙っていてもらったの。」

千歳の母親はそう言って、美咲に笑いかけた。

「千里おばさま…。相変わらずですね。」

昔から人を驚かせることが大好きだった千歳の母親に、美咲は大きいため息をついた。

「だって、ミサちゃんの驚いた顔って可愛くてつい。」

母親同士で笑いあう二人に美咲と千歳はため息をついた。
< 5 / 12 >

この作品をシェア

pagetop