黒猫~special cat~
ーーーー翌日
憂鬱に目を覚ました
“明日、桜龍に会えるかも!”
俊が喜び、跳ねていたことを思い出す
“明日”
当たり前の様に続く物であると信じていた
…何時しか、明日を終わらせてしまった
ーーーあの日から、俺の時は止まっていた
前へ進んでも
心は止まった
だから進むことを諦めた。
ただ、逃げることにした
俺を“卑怯者”と罵る者はいなかった
責める者も、いなかった
…同情なんか、欲しくなかった
それなら責められた方がまだマシだった
そしたら、“罪”から逃げなくて済んだから。
ーーーー所詮、言い訳に過ぎないけれど。
「ルッくん、いこー♪」
チャイムを鳴らさずにいうのは俊らしい。
朝飯を食べる食欲なんか無かったので
髪を無造作にセットし、歯を磨き顔を洗い、
……出発した