黒猫~special cat~
あれから嵐龍はみんなウキウキしていたけれど。
……結局、桜龍に会わなかった
秘密結社と呼ぶに等しい桜龍。
中でも総長は年齢、名前、性別…何もかもが謎。
在るのは、通り名。
だからこそ、桜龍に憧れた。
…憧れない者はいない、といっても過言ではない
桜龍は、一人一人が半端じゃない
「…王蛇が責めてくるらしいですよ」
さっきまでずっとパソコンをいじっていた
総が静かに呟いた。
「…場所は」
「…俺達の倉庫で、とのことです」
二人の会話に耳を済ませた。
『ソレ、俺も出る』
「…分かった」
駄目、といわれるかと思っていたため
思わず拍子抜けした。「お前は」小さい声で碧が笑う
「喧嘩、できるんだろ?」
『……疑うか
ーーー……上等じゃん』
笑われた腹いせに鼻で笑う
「総ー、その戦ぁ、何時ぅ?」
「急に…明日らしいです
…さすが王蛇。狡いだけのことはありますね
準備をさせない、とはね」