黒猫~special cat~
『もう、いい』
「え…」
すたすたと出かける準備をする俺を驚いたような目でみる
『ほら、いくから』
そういえば慌てて歩き出す琉羽
…私は変わらなきゃいけない
いつまでも、お子様じゃいけない。
過去の“私”は捨てた
大っ嫌いな自分はいらない
私なんか、いらない
消えてしまえばいい
『…琉羽』
「お…?」
琉羽はいつの間にか機嫌が直っていた
『俺について、聞かないの?』
そういうと琉羽はあぁ、そんなこと、と呟いた
…そんなこと、って何さ
「聞いたって教えてくれないだろ
それに、彼奴等をみてたら目星はつく」
『さすが、だな』
「当たり前だ」
若干調子に乗り始めた琉羽
普通なら罵倒するけど、今はいい
少し、気分がいいから
『琉羽、』