黒猫~special cat~
「…コイツが吐く前に来た」
静かに碧が呟くと俊は溜息を吐いた。
「……使えない奴だな」
あたかも詰まらなさそうに、
俊は大きな瞳を伏せた。
「第二倉庫、ねぇ…」
総は密かに微笑むと、侵入者に尋ねた
「その毒牙総長、とやらは
馬鹿、なんですか?」
「え…?」
嵐龍が顔を顰める(しかめる)中
総はにこやかに笑っていた
「…分からない、」
「…え」
流石に総も不思議そうにしていた。
「俺たちも、総長については、
何一つ知らない」
「だから…「頭のいい奴だよ」
嵐龍が振り返るその先には、
「…琉羽さん!?」
「あいつは…真鍋は頭のいい奴だよ」
「…何故、」
「暴走族・毒牙…別名、
国崎(くにさき)組。
組長、真鍋 簾(れん)
39歳、男性」
「…何故、貴方がそんなことを?」
「…真鍋は、
俺たちの親父だからだよ」