黒猫~special cat~
「―――は?何、言って…」
仁の言葉に嵐龍は顔を歪める
…しかし、仁の表情は真剣だった
『おー♪ ご名答っ』
“琉夏”は笑ってパチパチと拍手をする
―――仁以外の皆は呆気に取られた
『俺の名前は琉樹(るき)…尾山 琉樹。
“琉夏”が生み出した強い“琉夏”
いわば、琉夏の憧れの存在。』
淡々と琉樹は自分の“存在”について語っていく
『ソコにいる零を救えなかったことを
自分の“弱さ”のせいにして、琉夏は逃げたんだ』
琉樹は零を指刺し、悲しそうな顔をする
「俺を―――“救えなかった”?」
『…そう。 琉夏はお前が“行方不明”になった時、
“自分のせいで死んだもの”としたんだよ』
「「「っ―――!?」」」
『ねぇ、仁は知ってると思うけど
零がいなくなった後、琉樹は…生まれた
強く、なりたいから。
“大切なもの”を守るために…』
そして、琉樹は笑った
『でも、琉夏はバカだった
…俺は“琉夏”を守るために戦ってたんだよ』