黒猫~special cat~


一番、冷静なのも

一番、賢いのも

一番……ハッキングが上手なのも。


総じゃなくて、泉だった



なのに副総長が総なのは、
泉が副総長じゃないのは。


―――どうして、だっけな



「…もしもし」

注目を浴びている事を、泉はそんな事を気にせず。

いつもと変わらない口調で会話をする


「…どうなってんの、こんなの聞いてない。…んあ?
泉、だよ。“ケー番の入手経路”なんていい。関係ない。

もっと重要なことがあんの。」


泉は誰と話しているんだろうか、
まぁ、一方的に電話番号を泉が“調べた”ことに違いない


「“二重人格”なんて聞いてない。
…アンタなら、何か知ってるんだ……」


泉は何かをいいかけて、ケータイを耳から離した


“…ツー、ツー、ツー”


機械的なその音は、会話終了の合図のようだ
だけど、泉が琉夏の話をしていたのは…間違いない
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