黒猫~special cat~
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ごめん、と俺は呟く
そしたら、琉夏は許してくれるのか?
そしたら、琉夏を守ったことになる?
いくら考えても、“俺の中の琉夏”は返答をしてくれる訳もなくて
本当に……悲しくなるんだ
『だってさ……』
小さく呟いて言い訳を心にポッカリとあいた隙間に当てはめようとする。
ーーーーーーだって、あそこに港がいたんだぜ?
“俺”が嫌いな、港がいたんだぜ?
ーーーわざわざ木の陰に隠れてる港が。
………だからさ、
俺はわざと、港に届く声で言う
だって、俺が守りたいものは1つ。
“俺”じゃない“俺”だから。
『俺だって、仲良くしたいのに…』
あたかも、“本当の”琉夏みたいにいう
“琉樹”じゃないような感じで笑う
まるで、琉夏の本音のように
『…どうしようもなく、怖いーーー』
少し声を震わせながら不安げに
すると、港は予想通りーーーー木の陰から出てくる
『………っ、こう』
「琉夏………」
ハッとした感じをだした
きっと、琉夏なら今………どうするんだろう
それは、多分………
この後の港によると思う