黒猫~special cat~
恐らく、俺が自由に動こうものなら
琉夏に戻ったとき、全て壊れる
「オカシイ」だとか「狂ってる」とか
人を罵倒する限りの言葉は言われるハズだ。だって、
ーーー俺は、ほんとに狂ってるから
人殺しなんて、簡単。
躊躇いも、不安も全くない
俺だったらーーー零の言葉もキカナイ
真鍋を、とっくに殺してる
琉夏だから、止められた
だけど、零をよく知らない俺は?
誰が止める?誰が止めてくれる?
ーーーーー無理なんだよ
俺には、俺しか。
止められるヤツないないーーー
かさかさ、がさっ、かさかさ
また、木々が揺れる
港は不安気にいう
「ーーーーーーーー?
ーーーーー?ーーーーーーーーーー」
それを聞いて、俺は笑う
そんなの、分かんないや
そこは、俺の出る幕じゃないから。
だから、俺は正直に言う
『…分かんない』
それは本物に聞いて
偽物ーIMITATIONーの俺じゃなくてさ
………“お前、何処に行くんだ?
何処に、進む?桜龍をやめるのか?”
ーーーーーなんてさ