黒猫~special cat~
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目を、開ける
そこはさっきまで広がっていた世界じゃない。
ーーーそうか、寝てたのか。
また、琉樹が…起きたのか
医者に言われた言葉を頭の中で繰り返す
«………もう一人のアナタ、
どうやら“琉樹”というそうですが
ーーーーーかなり、厄介ですね»
厄介、の意味を問いただしても
医者は何にも…答えなかった
死病にかかった訳でもないのに
どうしようもなく……、こわい。
『さて…、どうしようか』
今更、【戻る】なんて術は無いだろう。失せた、消え失せた。
『本当…、情けねぇなぁ………』
俺はここで、何がしたかったんだ
ーーなぁ? 琉樹、
お前は、何をしようとしてた?
お前は、何をしたかったんだ?
だけど、頭の片隅で琉樹は、琉樹はーー
(…………琉樹?)
泣いてん、のか………?
俺は琉樹に問う、琉樹は………答えない
……まぁ、当たり前だけど