ずっとあなたが好きでした
そこのグループにいたくないから、頃合いを見計らって抜けた。

仲良い子で固まってるグループなのに、どうしてこんな事になるのか全く分からなかった。

分かりたくもなかった。

悪くもない子を傷つけず、虐めに遭わない様、目立たない様にして、大人しい子のふりをした。

絶対にハバや無視が起こらないグループに変わった。

自分を出さないようにした。

私の中で中学校は最低な場所でしかなかった。

ましてや、クラスでやる行事という行事なんか全く興味がなかった。

一つでもなくなれば揉め事がなくなり、楽になるのに…そんな事ばかり考えていた。

そして、楽しい事、良い事もないのに、何の為に生きているのか?

何で毎日こんな嫌な思いをして、学校に行って、好きでもない勉強をしなきゃいけないのか?

全く分からなかった。

けれど、私にも夢はあった。

ナイチンゲールの様な看護婦になりたかった。

私は、綺麗な心のまま生きて死んでいきたいと思った。

そして、死への強い憧れを抱いた。

悪い事をしていなかったら、天国にいける。

そしたら、嫌な事、辛い事から解放される。

やっと私は永久不変の幸せを手にする事が出来ると信じていた。

だから、死んだら人はどうなるのか?

そんな事ばかり考えていた。

私は、漠然と看護婦さんになりたいと思っていただけだったから、成績が下がって怒られようが、良い成績をとる為、良い高校に入る為だけに、勉強する気にはどうしてもなれなかった。

人に抜かれようが、負けようがどうでも良かった。

他人のことなんてどうでも良かった。

そんなことこれっぽっちも興味がなかった。

それよりも、何の為に勉強しなきゃいけないのか?

どうして今、一生懸命勉強しておいた方が良いのか?

その意味をはっきり教えて欲しかった。

だけど、今は違う。

優秀な高校に行きたい。

そうすれば、里加ちゃんの様なろくでもない虐めをする子なんて、いない気がするし、そういう子がいないなら、自分もろくでもない人間にならずにすむ気がするから…。

何で今こんな事を思い出すんだろう。

何で…?

「香、香?」

とあっこに呼ばれて、我に戻った。

その瞬間、ゼットコースターが急降下していった。

ふと、自分の人生を表している、そんな嫌な予感がした。
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