ずっとあなたが好きでした
それに、葉子ちゃんの言う通り、最近はカラーガードのメンバー、皆が仲良くなっていた。

まさか、このクラスの中で、こんなにたくさん仲の良い子が出来るなんて思わなかった。

そして、私が仲良くしている、皆の中に俊也がいるなんて夢にも思わなかった。

今の関係を壊したくない…

私もそう思った。

練習はいつも、放課後すぐ集まって、練習に取り掛かった。

短い時間に集中して練習し、終わると近くの公園に寄って、カラーガード皆でよく雑談をした。

里加ちゃん達がいつも、

「カラーガードもう帰ったの?」

と言って怒っていたみたいだけど、それすらもその時は知らなかった。

あっこ達はよく、

「里加ちゃん達と一緒じゃなくて、本当に良かったね」

と言ったり、

「ずっと、このまま体育祭が始まらないと良いのにね。」

とも言った。

私もそう思った。

このまま始まらなかったら、毎日カラーガード皆でわいわい出来るのに…

それに、矢吹くんとも毎日話せるのに…

私達が仲良く練習をしていた頃、里加ちゃん達、バトンは揉めていた。

男子と女子の意見の食い違いや、女子の中で意見が対立した。

最も揉めたのは、演技の中盤で、風車をしてかつぐ子と上に乗ってバトンを回す子を誰がやるかどうかで揉めていた。

目立ちたがる子ばっかりだったから、風車なんて誰もしたがらなかった。

最後に組み体操で、1番頂上で、誰がバトンを回すかも全く決まりそうになかった。

私達、カラーガードが公園で雑談をし、体育祭まで後一週間と迫っていた頃、伊藤くんが、

「おい、さっき聞いたんだけど、バトンやばいって!まだ誰が頂上やるか決まってないってよ?しかも、小村達泣いてたぜ。」

と言った。

流石に私も後一週間で体育祭なのにまずいと思った。

頂上でバトンを回すのが、里加ちゃんか恵梨ちゃんか沙月ちゃんか直子ちゃんか全く決まらないみたいだった。

私は面倒臭いから、1番強い里加ちゃんにしとけば良いと思った。

でも、こんな事を言ったら、不謹慎かもしれないけど、決まらないおかげで里加ちゃん達バトンと一緒に練習しなくてすむから、ラッキーと内心思っていた。

カラーガードの女子は皆、バトンと一緒に練習したくないと思っていた。

バトンとはギリギリまで一緒に練習したくなかったけど…

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