ずっとあなたが好きでした
制服も夏服から冬服に変わった。

体育祭が終わると中間テスト、音楽祭、期末試験と続くから大忙しだった。

そろそろ私立も公立もどこを受験するのか決めなきゃいけなかった。

二学期の中間テストからは今まで部活ばかりしていた俊也や田川くんの様な男の子が追い上げてくるから、順位が落ちると言われていた。

けど、結果は一学期の期末と比べて、順位は落ちたけど、何とか踏み止まった感じだった。

順位が落ちたというより理科だけが悪かった。

期末が良くても悪くても、二学期の理科の内心点は3にしかならないと思った。

期末が良ければ、他の主要五科目が5だったら、全体で内心点が30の後半に少なくとも届く気がした。

そして、中間テストも終わり、音楽祭の練習が始まろうとしていた。

音楽祭の練習は体育祭の練習と比べて過酷だった。

体育祭は里加ちゃんや恵梨ちゃん達と別れて、練習していたし、一緒に練習したのも二日くらいだったから頑張れた。

今回は放課後、三週間、クラス全員で練習しなきゃいけないから、厄介だった。

私達はソプラノで、里加ちゃん達はアルトだった。

始めは別れて練習していたから、良かったけど、暫くして女子全体で練習する事になり、里加ちゃんに酷い事を言われ、泣いてしまう女子も多々いた。

私はソプラノとアルトに優劣の差はないというより、むしろソプラノの方が上手だと思った。

けど、里加ちゃんは

「ソプラノが声が小さい。」

「ソプラノが音が取れていない。」

「アルトは出来てるのに、ソプラノは出来ていない。」

と何かしら難癖をつけてきた。

けれど、音楽の授業では、先生からこのクラスのソプラノは上手いと言われていたし、どちらかと言えば、アルトが注意されていた。

授業中にアルトが先生に注意をされた事をソプラノにそのまま言っている気がした。

私は里加ちゃんは、賞が取りたいのか、私達を虐めたいのか、自分は上手いと言いたいのか、自分が上手いと周囲や俊也に思われたいのか、何が目的なのかよく分からなかった。

そして、ソプラノの何人かは、放課後の練習を理由をつけてさぼるようになっていった。

もちろん、私も虫歯なんて一度も出来た事ないのに、虫歯が理由で二日間、放課後の練習をさぼった。
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