ずっとあなたが好きでした
私の前からいなくなってよ!

こっちが目障りなんだけど…。

堂々と前を見て、立つ事も出来ず、何も失敗した訳でもないのに目線はどんどん床に落ち、身体は硬直して、十分な演技は出来なかった。

悔しかった。

里加ちゃん達のせいで通知表に今日の事が響くなんて…。

私は里加ちゃん達にされた事に対して、悲しいとかそんな感情は微塵もなかった。

心配していた事と言えば、自分の受験の事だけだった。

このラジオ体操のせいで、体育が5段階の2になれば、例え、残りの8教科全て5で固めたとしても、42になってしまう。

まず他の物を5で固めるなんて不可能なのに…。

先が思いやられ、数日間頭痛が治まらなかった。

5月のある日、私は高熱で学校を休んだ。

嫌がらせとは関係なく、今まで全く勉強なんてしてこなかった私が今までにない位勉強をしたのだから、高熱が出ても仕方なかった。

高熱は一日で治まり、次の日には学校に行けた。

私が廊下を歩き、私を見かけると、私に向かって

「アトピーちゃん」

「矢田菌」

「ぶつぶつー」

と大声で罵声をあげる子。

「アトピーがこっち来たよ!」

「やだー!移るー!」

「矢田菌、来たし!」

「本当だ!矢田菌だー!汚いー!」

とヒソヒソ言い、ニヤニヤした顔で私を馬鹿にする子、私を指差して、私に悪口を聞こえる様に言う子、色々だった。

もう俊也がどうという訳でもなく、尾鰭が付いて、よく分からない状態になっていた。

もう本当に頭が可笑しくなりそうだった。

私の事を知っている子から知らない子まで、私が嫌われ者だという事がばれていった。

一年の時のクラスは嫌いだったけど、二の私のクラスは虐めをする様な子なんていない平和なクラスだった。

だから、みんなの前でも私は普通の明るい子だった。

クラスの女子誰とでも結構仲良かったし、わりと男子とも気軽に話したりもしていた。

私は悪口を言う子や罵声をあげる子はどうでも良かった。

そんな子達に好かれたくもなかったし、悲しくなんてなかった。

だけど、今まで仲良かった子達にも、そういう目で見られるのは流石に辛かった。

中学生なんて単純だ。

< 5 / 100 >

この作品をシェア

pagetop