ずっとあなたが好きでした
俊也に対する想いがその程度なら、私に譲ってくれれば良かったのに…

違うのかな?

あんなけ俊也を頑張ったからこそ、燃え尽きる事が出来て、先に進みやすかったのかな?

どっちにしても、里加ちゃんに腹を立てずにはいられなかった。

里加ちゃんさえいなかったら…。

里加ちゃんみたいな子がいたのは不運だったけれど、中学時代全てを棒に振る事はなかった。

里加ちゃん達に対する恐怖はあったけど、私には、あっこや葉子ちゃん、麻央ちゃん、良い友達もたくさんいた。

里加ちゃんがいようがいわまいがあっこ達と学校生活を楽しむ事だって十分出来た。

恋だって、俊也を頑張るか頑張らないかは里加ちゃん関係なく自分自身の問題だった。

里加ちゃんや里加ちゃんと仲良くしている意地悪な同級生がいて、毎日が嫌で未来に期待しても、未来は必ずしも良くなるとは限らない。

未来なら自分の思い通りになる訳ではない。

中学時代の愚かな私は、里加ちゃん達さえいなくなれば、きっと未来は良くなるものだと、未来なら自分の思い通りになるものだと信じていた。

けど、私は分かっていた。

俊也の事は分かっていた。

全部が全部、里加ちゃんのせいではない事を…。

もし、里加ちゃんだけのせいなら、もう里加ちゃんとは関係なくなるのだから、私は卒業式に俊也に告白していたはずだ。

私は告白出来なかった。

私は全てを里加ちゃんのせいにしている。

自分を正当化しようと里加ちゃんのせいにしている。

ただ自分に自信がなくて、弱くて、逃げていただけなのに…。

俊也に気持ちを伝えるのが怖かった。

迷惑でしかないと思った。

近付く事も、話し掛ける事も出来なかった。

話し掛けられても、上手く答える事も出来なかった。

醜い私には眩しすぎた…。

そう、里加ちゃんだけのせいじゃない。

私が弱かった。

頑張ってもいないのに初めから諦めていた。

全て私が悪い…自分で自分の首を絞めたんだ。

例え迷惑かもしれないと思っても、迷惑か迷惑じゃないなんて俊也が決める事。

迷惑だったら断られ、迷惑じゃなかったら受け入れられる。

ただそれだけの事。

言うのは簡単だけど、あれこれ考えたって何も始まらない。

恋は自分の気持ちに正直になった人が勝ちなんだから…。

自責の念に苦しみつつ、三学期も終わろうとしていた。
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