ずっとあなたが好きでした
「でも後から、俺が矢田に話し掛け過ぎてた事で、濱田達の怒りを買って、矢田が虐められてた事を知った時は本当凹んだよ。俺、鈍感だからさ。俺、矢田の何を見てたんだろうな?でも、また矢田の事知ったんだ。」

「私の事を知ったって?」

「矢田は優しくて、強い子なんだって。」

「優しくて強い?買い被り過ぎだよ。私、本当に矢吹くんが思ってる様な人じゃないよ?」

「でも、矢田は俺に本当の事言わなかっただろ?虐められるから話し掛けてこないでって言えば、虐めも早くなくなったかもしんねーじゃん?」

「それとこれは関係ないよ。里加ちゃんと上手く付き合えない私に問題があったんだよ。矢吹くんは私と仲良くしようとしてくれてただけでしょ?矢吹くんは関係ないよ。私が悪いんだよ。」 

「矢田はやっぱり優しくて強いんだよ。自分の非を認めたり、他人をかばうことってなかなか出来ないよ。みんな自分を守る為に、必死に嘘をついたり、他人のせいにばかりするだろ?」

「そうかもね。でも私もそうなの。私も自分の中学生活がダメになったのは里加ちゃんがいたからだって。矢吹くんに近付きたくても、近付けなかったのは里加ちゃんのせいだって恨んでたよ。自分に自信がなくて、矢吹くんに近付けなかっただけなのに…自分自身に問題があったのにね。」

「矢田は悪くない。悪くないよ。そう思っても仕方ないよ。」

「私、矢吹くんに会えなくなってから、後悔ばかりしてた。虐めに遭ってでも、矢吹くんに近付いとけば良かったって。結果がどうであっても、自分の気持ちに素直になれば良かったって。矢吹くんに会いたくて会いたくてたまらなかった。ずっと会いたかった。」

「そっか、びっくりだな。そんなに矢田も想っててくれてたなんて。マジで嬉しいよ。」

暫く沈黙があった。

「続きなんだけど、良い?」

「あ、ごめん。聞かせて。」

「俺、伊藤が矢田と話してた様に、ずっと矢田と話したかったんだ。でも、濱田がすっげぇ俺の事好きなの知ってたし…まぁ外見だけだろうけどな。また矢田に話し掛ける事で、矢田が虐めに遭うなんて耐えられなかったんだ。だから、ただ見てる事しか出来なかった。でも、ディズニーランドのホテルではどうしても気持ちが止められなくなっちゃったけどな。今でも思い出すと恥ずかしいよ。」



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