ずっとあなたが好きでした
「あー分かった!分かった!あの子、超お金持ちなんじゃない?あの人に貢いでるんだよ!」

「そうか!何か買って貰ってるんだ!今日も何か買って貰う為に、せめて迎えには行ってあげなきゃと思って来たのかー。」

「もう超最低じゃん。最低な男じゃん。」

「優しそうな顔して、あの子貢がせて、最っ低じゃん。」

「それしかないし!」

もう、やめてよ!

俊也の事、そんな風に言わないでよ…。

「俊也、ごめんね!せっかく来てくれたのに…。ごめんね。」

「…。」

「俊也?」

「香…。香が何で、謝るんだよ?」

「だって、あの子達、私と同じ学校の子だし。ごめんね、俊也…。本当にごめん。」

「そんな顔するなよ!俺は大丈夫だって言ったろ?気にするな!俺は何言われても平気だから。」

「…。俊也…。」

「香は気にしなくて良いから。言いたい奴には言わせとけば良い。」

「ありがとう。」

「それよりさ、今日行きたいとこあるんだ!」

「え?どこ?」

「着くまでのお楽しみ!」

「え?どこ?教えてよー!」

「秘密!香も好きな所だよー。」

「えー?ますます気になるじゃん。」

俊也は私の手を取り、私達は手を繋いで目的地に向かった。

遊園地だった。

「遊園地じゃん!でも、俊也、制服で遊園地って入って良いの?」

「修学旅行って事にしとけば良いよ!前に香、行きたがってたじゃん。休みの日にしようかと思ったんだけど、テスト週間に入っちゃうし、早く来たかったから今日にした!」

「わぁー」

「早く行こうぜ。早くしねーと、すぐ閉まっちゃうからな!」

「ありがとう、俊也!嬉しいよー!」

「あっ!やっと笑ったな!」

「え?」

「何でもねーよ!早く行こうぜ。」

ずっと私の事、気にしてくれてたの?

「俊也!」

「どうした?何?」

「私、俊也の事大好きー!」

「何だよ、急に!いきなり、びっくりするだろ?遊園地そんなに来たかった?」

「違うよ。ただ言いたくなったの!」

「…。」

俊也は真っ赤だった。

「俊也、顔真っ赤だよ?」

「アハハ、大丈夫?タコみたいになってるよ!」

「香…お前、大胆だよな?」

「え?」

「何でもねーよ。行くぞ!」

「はーい!」

私達は閉園ギリギリまで遊園地で遊んだ。

俊也といると楽し過ぎて、時間が経つのが本当に早かった。

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