ずっとあなたが好きでした
けど、家に帰って考えてみると、だんだん腹が立ってきた。

皆が皆アンタと話したい訳じゃない。

アンタと話して嬉しい訳じゃない。

そして更に頭にきた。

好きでもない俊也やどうでも良い里加ちゃん達の事で、どうしてこんなに悩まなきゃいけないの?

最近、朝方まで眠れない日々が続いた。

考えたくもないのに、目を閉じると同級生達の姿が頭を過ぎり始め、それに便乗して俊也まで出てくる様になった。

寝よう寝ようと思っても、時計の針の音ですら気になり始め、目覚まし時計を押し入れにしまい込み、ようやく眠りに落ちるのは朝の5時か6時だった。

受験勉強で疲れているにも関わらず、寝れない日々も続いていて、疲労困憊だった。

けれど、全然寝付けなくても、学校でも塾でも一切眠くならなかった。

とにかく、暫く数日間は俊也と気まずかった。

いつもなら元気に

「矢田、おはよ」

と言ってくる俊也が何も言ってこなくなった。

前は授業の前後に色々話し掛けてきたのに、話し掛けてこず、一言も話さない日々が続いた。

そうこうしている間に、里加ちゃん達は別のターゲットをみつけ、そっちの虐めに忙しくなり、気付いた頃には私への攻撃はなくなっていた。

また知らないうちに他のクラスの子や他のクラスの私が仲良かった子達もまた前のように普通に接してくる様になった。

どうして、私に酷い事を言ってきていた他の子達は、さも今まで何もなかったかの様に私に話し掛けてこれるの?

仲良くしようと出来るの?

私に対して後ろめたい気持ちは全くないの?

虐められてた子も何で虐めてきた子と仲良くすることが出来るの?

それとも、虐められなくなったら、普通は何事もなかったかの様に接するの?

忘れることが出来るの?

それか、ただ私が根に持ちやすいタイプなの?

全く理解できなかった。

この一件はとりあえず、収まったけれど、俊也と私の関係は本当にぎくしゃくしていた。

理科の実験で同じグループになった時なんかは、本当にやりにくかった。

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