ずっとあなたが好きでした

当時、咲子ちゃんは虐められながらも、何人かの男子と付き合っていた。

自分に自信があったのだと思う。

だから、里加ちゃん同様、咲子ちゃんも私が俊也と付き合う事が許せなかったのだろう。

「ちょっと、化粧して綺麗になったからって、矢田さん勘違いしてるんじゃないの？」

もうどうでも良かった。

でも、私は最近思う事がある。

「嫉妬とは、①自分より優れた者を妬み、そねむ事 ②自分の愛する者の愛情が他に向くのを羨み憎む事。また、その感情。りんき。焼もち。」と広辞苑に書かれている。

そして、「嫉妬状態にある人の特徴として、①下に見える人を見て悦に入る。②上に見える人を見て反感を抱く。」

けれど今日、「上に見えるものへの反感が向上心と結び付いた場合はもはや嫉妬と呼ばれない事が多い。」とwikipediaに載っている。

だから、私は他人に嫉妬をする事はある意味、良い事だと思う。

悔しいと思うから、人は変わりたい、こういう風になりたいと思い、頑張るし、向上していける。

苦しい事もあるけど、それを乗り越えれば、光が見え、その分、人として大きくなれる。

私も昔、七海ちゃんや俊也を取り巻く女の子達にかなり嫉妬をした。

嫉妬をすると泣いたり、怒ったり、見苦しくてたまらない。

自分が物凄く嫌な人間に思えたり、余計自分の事が嫌いになってしまう。

でも、生きているんだから、色々思う事があってもしょうがない。

いつもいつも順調にはいかない。

そして、人によって上手くいかない事の多さは違うけれど、人より辛い事が多ければ多い人程、他人の心の痛みが分かる人間になれるし、他人の気持ちが分かるし、優しくなれる。

そして強くなれる。

私は他人に負けたくない、俊也を奪われたくないと思ったからこそ、綺麗になれたし、明るくもなれた。

私は昔の自分より、今の自分の方が好き。

今でも、噂を聞けば七海ちゃんを家に帰れば妹の実を羨ましく思う事はある。

けれど、俊也はこんな私を好きでいてくれる。

私は私。

世の中にたった一人しかいないかけがえのない私。

私はまだ自分の事を諦めたくない。

自分を大切にして、これからも生きていきたい。

そして、私は俊也を誰よりも愛している。

この気持ちは本物。

けれど、もし俊也と別れてしまっても、それは運命なのかもしれない。