初恋
「蓮弥……で別にいいよ」
キュンっ
え……あたし、今なんか蓮弥の笑顔に……キュンってした……?
『あ、分かった!じゃあ蓮弥って呼ぶね。あ、あたしも奈緒でいいよっ』
「分かった。じゃ、奈緒って、呼ぶ」
そう簡単に告げた蓮弥は窓側を向いて頬杖をついてしまった。
外から入ってくる光を浴びて、元々色素の薄い茶色っぽい髪の毛は更に薄くなっていて、切れ長の瞳の上には、男子とは思えないほど長いまつげがついていて。
ずっと見ていたいほどキレイで、あたしはつい見とれてしまっていた。
「なーおっ!」
と美柚に呼ばれて振り返ると
なぜか良太と2人でニヤニヤしいて。
『え!?何?2人とも。何かあったの?』
2人ともニヤニヤしてたので驚いて聞いてみた
「奈緒、なに見てたのーっ?」
と美柚に聞かれてしまった。
やばっ、蓮弥に見とれてたのバレたかもっ!
『へっ?いやっ、別に。何も見てなかったけど!』
と焦って言うと
「「プッ」」
と2人同時にふきだした。