初恋
「奈緒ー?帰んねーのー?」
海斗の声がしたと思ったらガラっといきなりあたしの目の前のドアが開いた。
『きゃぁあぁっ!!!』
そのドアに向かって走っていた私は、止まろうと思っても止まれず、海斗に抱きついてしまった。
ドーン!!!
「いてっ……」
さすがに、反射神経のいい海斗でもよけきれなかったみたいで
あたしは海斗に突進して海斗を倒してしまった。
『いてててっ。』
「おまえ、いてててじゃね……///」
海斗が、途中まで言いかけて黙り込んだので驚いて海斗の顔を見ると
『……!?海斗?顔、赤くない?大丈夫?』
あまりにも顔が赤かったので熱があるんじゃないかと心配した私は海斗のおでこに触ろうとして手を近づけたけど……
「ばっ、や、やめろよっ!」
と何故か怒られて手でとめられてしまった。
「……つか、奈緒。早くどけろよ、勘違いされんだろ!」
『……へ?』
海斗の言葉ではっとして、周りを見渡した。
確かに海斗の言うとおり、何も知らない人が見れば、
あたしが海斗を押し倒している状態に見えているはず。
急に恥ずかしくなったあたしは、急いで海斗の上からどけた。